平昌オリンピック期間中、フィギュアスケーターの似顔絵をSNSに投稿していました
Twitterでよく呟いていますが、私はフィギュアスケートファンです。
自分が運動神経悪い芸人並みに運動音痴なので、昔から身体を自由に操れるアスリートに憧れが強いです。
それだけでなく目標のために何度でも練習を繰り返すストイックさや、簡単にあきらめない粘り強さ、前向きで明るいメンタルが好きです。
仕事柄、1日中部屋に閉じこもってPCに向かっていると、だんだん自分の心がとぐろを巻いて、闇の渦に飲み込まれそうになります。
そんな時は、浅田真央ちゃんの伝説のソチオリンピックFSを見ると心の闇が晴れます。
真央ちゃんの現役生活の苦しみを知っているから、あのFSで見せた最高の演技は本当に尊いものです。
今年はオリンピックイヤーなので、自分にいつも元気をくれるフィギュアスケーターへの感謝の気持ちを形にしたいなぁと思い、大会期間中SNSにスケーターの似顔絵イラストを投稿していました。
沢山の人にいいねやリツイートをしていただき、フィギュアファンとつながることが出来ましたが、もっとフィギュアスケートファンが増えて欲しいと思い、イラストと一緒にその魅力を伝えるためにブログを書きました。
私がフィギュアスケートにはまったきっかけ
フィギュアスケートは伊藤みどりさんが活躍された長野オリンピックから見てますが、本格的にはまったのはトリノ→バンクーバーの頃です。
トリノは女子シングル出場選手は、荒川静香さん、村主章枝さん、安藤美姫さんでした。
男子シングルは高橋大輔さんのみ。(この当時は男子はたった1枠でした!)
女子シングルは優勝候補が軒並みミスをする波乱の大会でしたが、見事荒川静香さんが大会を制し、金メダルをとりました。
その他の結果は村主章枝さんは4位入賞、安藤美姫さんは15位。高橋大輔さんは8位でした。
当時私は安藤美姫さん推しでした。
代表3人の中で最も若く、女性らしいスタイルと難しいコンビネーションジャンプを何種類も飛ぶ才能があり、華のあるスケーターでした。
でも一度転倒すると立て続けに転倒したり、トリプルジャンプがダブルになってしまったり、SPの出来が良くてもFSで失敗したり、安定感があるとは言えませんでした。
トリノオリンピックでは、前年の足の指の骨折が完治していなかったことと、調整に失敗して全日本選手権よりも明らかに太っていて、惨敗と言っていいような結果に終わってしまいました。
でもその後、ロシアのニコライ・モロゾフコーチに師事して、拠点をロシアに移してから見違えるような変貌を遂げます。
一言でいうと色気が増しました。
いや…一言で言いすぎですね、演技に女性らしい優美さが増したというか、指先や首の傾け方まで意識した表現になったということです。
身体もアスリートらしく絞られ、自信なさそうな顔をしていたのが堂々とした振る舞いになりました。
安藤美姫さん自身がバンクーバーオリンピックの後にweb日経新聞のインタビューに答えていたのですが、古い記事なので削除されてしまってもう読むことが出来ません。
私の記憶で要約するとこんな感じです。
・単身言葉も話せないままロシアに渡って、現地でロシア語を学び同じリンクで練習する海外の選手と気軽に話せるようになった。
・英語が苦手なことがコンプレックスで、以前は海外遠征で外国人選手と交流できなかったけど、ロシアで暮らし始めてからは下手でもロシア語を話す必要があり吹っ切れた。自分の気持ちをストレートに伝えられるようになった
・ジュニアから知り合いのカロリーナ・コストナーに「美姫は何を考えてるかわからなかったけど、今は違う」と言われたことがとても嬉しかった
・日本だとどこに行ってもマスコミやファンに追われて委縮していたが、ロシアだと自分に反応する人もいないのでマイペースにできて気楽。
という内容だったと思います。
当時安藤美姫さんの人気はすごくて、異国の地で言語や習慣で苦労もあったと思いますが、プレッシャーから解き放たれてスケートに集中できたんでしょうね。
それからモロゾフコーチの手腕が大きいです。
モロゾフコーチは選手の感性や見識を広げさせるために積極的に舞台観劇させたり、バレエ以外のダンスを習わせたりすることで有名です。
高橋大輔さんのコーチに就任したときはブロードウェーのミュージカルを見に行ったりしてました。
たぶん演劇鑑賞は他のエンターテイナーから自分の魅せ方を学ばせようとしたんだと思います。
それから「自分が誰よりも魅惑的なスケーターで、会場の視線は全部自分のもの!」という自負を持たせること。
見られて、魅了してなんぼの競技なんだから考えてみれば当然ですね。
「周りの目を気にせず練習できる環境」と、「自分の言葉で伝える自己表現」、「エンターテイナーとして自覚を持つ意識改革」が彼女を変えたんだと思います。
トリノの前からバンクーバーまでの5~6年間、安藤美姫さんをずっと見続けてていて人間ってこんなに成長できるんだなと驚きました。
私は強い人間はもともと強いと、当時は思っていました。
自信満々で、人の注目を集めることを恐れず、堂々としていられる人は、自分とは感覚が違うんだと。
でも安藤美姫さんの成長は私に希望を与えてくれました。
安藤美姫さんだけでなく、他の選手もみんな、苦しみながら自分と向き合って、自分だけのスケートを生み出して最後まで華やかに氷の上に立つ姿に胸が打たれます。
フィギュアは一見華やかに見えますが、人間の成長を感じさせてくれる大変熱いスポーツなのです!
フィギュアスケートの3つの魅力
〇選手が美しい
言わずもがなです。美しいよねー。
特に今大会表彰台に上がった女子メダリストは輝くばかりの美女ぞろいでした。
でも映画スターみたいなわかりやすい美形ばかりではなく、それぞれの人種や民族独特の顔立ちの美しさがあります。
特にロシア勢は色んな民族がいて周辺国家からも選手が集まってるから、同じ国でも顔だちがバラバラですね。
それに衣装の華やかなデザインも見ごたえがあります。
特にオリンピックイヤーでは衣装を新調するか、そのシーズンで着ていた衣装にビーズや羽根を足してよりゴージャスに飾り立てているので、例年よりも華やかですね。
オリンピック銀メダリストのエフゲニア・メドベージェワさんはいつもこげ茶やコバルトブルーの落ち着いた色の衣装ですね。
あまり10代の女の子がチョイスする色ではないし、普通の人が着ると凄く地味になると思うんですけど、着こなして存在感があるのがすごい。
対照的にロシアのマリア・ソツコワさんは、淡いピンクの衣装が金髪と人形のような長くて白い手足に映えて素敵。
彼女も10代ですが、長身で顔の彫が深く年上に見られがちな容姿を、衣装で初々しくエレガントな印象に変えています。
それからフィギュアスケートに特化した肉体美が素晴らしいです。
背の高さは人種がさまざまなので、カザフスタンのエリザヴェート・トゥルシンバエワ選手は身長147㎝ですが、イタリアのカロリーナ・コストナー選手は169㎝で20㎝以上身長差があります。
フィギュアスケートは筋肉をつけすぎるとジャンプが飛べなくなるのでみんな細身。
細身の選手のなかであえて厚みのある身体をしている選手はとても目立つので、それもまた個性になっていますね。
〇隠しきれない選手の個性・キャラクター
フィギュアスケートは自己表現してなんぼという個人競技なので、マイペースで個性が強い人が多いです。
女好きで有名な人、暴君な人、ビッグマウスな人、気分屋な人、孤独を愛する人…
フィギュアスケーターはナルシストだと嫌う人もいますが、世界基準で言うと日本の選手はまだ大人しいほうじゃないかな。
とはいえ、最近は日本人も面白い人が増えてきました。
引退したフィギュア界一涙もろい織田信成さんや、おっちょこちょいだけど愛嬌たっぷりの村上佳菜子さんはキスクラで表情がコロコロ変わってましたし、哲学書を愛読している町田樹さんのインタビューコメントはすべてが独創的でした。
(町田さんが突然引退したときは寂しかったです…。この人は面白いこと言おうとしてこんなコメントになってるんじゃなくて本心で言ってるんですから。あんな人は日本のフィギュア界にもなかなか現れないだろうな…)
また同性愛者の選手もいらっしゃいます。
カムアウトしてなくても、多分そうじゃないのかな?って人もいます。
現役ではアメリカのアダム・リッポン選手が公言していますね。
リッポン選手は本当に美人で、男性的な逞しさと女性的な優美さを併せ持つ一流のスケーターです。
余談ですが、羽生結弦選手やファビエル・フェルナンデス選手の名コーチ、ブライアン・オーサー氏も、同性愛者の多い町、カナダのトロントで男性のパートナーと暮らしていますね。
フィギュアスケーターはよく「ナルシスト」と言われますが、男女問わず自分の魅力に絶対の自信を持っている人が、フィギュア界のトップアスリートになっています。
でもやりたい放題ではなく、ほかの選手の健闘を称えたり祝福したりするところが、スポーツマンらしくて素敵です。
実はオリンピックに出た日本人選手は、田中刑事選手以外は全員血液型がB型だったりします。
自分もB型なのでちょっと嬉しい^^
〇二人三脚!コーチとの絆
フィギュアスケートは選手だけが戦っているのではなく、彼らをサポートするたくさんの人がいます。
コーチ、コーチ助手、振り付け師、楽曲提供者、衣装制作者、スケート靴職人、スポーツ整体師のほか、家族の支えも大きいです。
でもなんといってもコーチとの絆が強いです!
練習、国内試合、海外遠征ではつきっきりだし、日本の選手はジュニア時代からずっと同じコーチまたは、同じ教室の門下生ということが多いです。
特に高橋大輔さんは大学在籍中、長光歌子コーチの家に下宿していたほどで、第二の母親とも発言していました。
コーチが試合中継でよく映るのは、主にキスクラ席と、演技前の選手との最終確認のひと時ですが、リンクに降りる前に、一種の儀式やゲン担ぎをする師弟が多いです。
儀式は「背中の真ん中を叩く」「手を重ねる」「握手する」などさまざま。
私はこの儀式をみるとニヨニヨしてしまいます。
コーチと二人三脚のスポーツは、陸上や水泳、格闘技など個人競技を中心にいろいろありますが、試合のほんとに直前まで選手とコーチのやりとりが映るスポーツってあまりない気がします。
儀式といえばやはり、宮原知子選手と濱田美栄コーチのおでこごっつんの儀式が有名ですね。(宮原知子さん限定ではなく、本田真凛さんともやっていたので、濱田コーチの門下生は全員これなのかもしれません。)
なんというか尊いよなぁ……!!普段冷静で落ち着いた印象の宮原さんがすごくかわいらしく見えます。
濱田コーチは宮原さんがよりも先に泣いてることが多いので、てっきり涙もろい人なのかなと思っていたんですが、実は生徒たちに恐れられる厳しい先生らしいです。
そんな厳しい指導をするコーチにさらに練習熱心だと言わしめさせる宮原さんは、ケタ外れの練習量と集中力なんでしょうね。
私は普段鬼のように厳しい師匠が情が深い一面をみせる、要するにツンデレ師匠に非常に弱いです。
いわゆる師弟愛萌えです。
ほかにも浅田真央さんや伊藤みどりさん、村上佳菜子さんを育てた山田満知子コーチも大変指導が厳しいことで知られています。
宇野昌磨君のコーチである樋口美穂子さんの母親で、ジュニア時代は宇野君の指導や振り付けもしていました。
その山田満知子コーチが、宇野君がオリンピックで銀メダルを取ったときの日刊スポーツのインタビューに答えたときに、こうコメントしています。
(nikkansports.com 山田満知子コーチ、宇野銀に「もう大満足」一問一答 からの一部引用)
あたしは1位とか2位よりも、フィギュアスケートを通じて、みんなから愛されたり、応援される、したくなる人間になってほしいといつも思ってきた。
ライバルがどうとか、そういう方向じゃない。
うちにいた子たち、昌磨がそうだし、今バラエティーのタレントやってる村上佳菜子にしても、かわいがられる選手。
それにはやはりハート、心がきれいじゃないといけない。
昌磨も小さい時からそういう人間に育ってきた。
みんながあったかく応援してくれる選手というか。
今も佐藤信夫先生から真っ先に電話があって「マチちゃん、良かったね~」と。
私自身も良かった。昌磨もみんなの祝福に喜んでいると思います。
記事の写真の満知子さん、とても優しい笑顔でした^^
選手を支えてる人たちが選手のことを第一に考えているのが伝わってきますね。
〇まとめ
フィギュアの魅力は他にも、ジャンプやプログラムの技術的なことや、最高得点やメダル獲得数もありますが、まずは気に入った選手をみつけて応援してみるのが一番楽しいのではないかと思います。
大会中twitterにフィギュア選手の似顔絵をUPしていて、たくさんのフィギュアファンの方にフォローしてくださいましたが、プロフィールを見ると贔屓の選手が見事にバラバラです(笑)
みんな好きな選手をみつけて、演技を見て、うおーーーーーーっ!!!と盛り上がっていますw
こんなに個性豊かな選手たちが百花繚乱で競い合うわけですから、一人ぐらいあなたの琴線に触れるスケーターがいるはずです。
まもなく3月19日から、今シーズン最後を飾る世界選手権が始まります。
フィギュアに興味がなかったあなたも観戦して、贔屓の選手をみつけてはいかがでしょうか?